自分の作品のために演奏依頼をするときは、演奏してくれる人に対して感謝の気持ちをしっかり持つことが大切です。
どうしても自分の作品のことばかり考えてしまい、演奏者への配慮を忘れがちになってしまいます。
そのことで自分が損をすることになるということを書いていきたいと思います。
期日までに録音してくれない
録音して演奏データを作品に組み込むときは、期日を決めてやってもらうことになります。
しかし、相手に対する配慮が欠けると期日が来ても納得できる理由なく期限の延期が繰り返されます。特に無償の場合は、よくあることです。
請け合った段階から、相手のモチベーションがどんどん下がっていっていることが原因です。
作品を作っているあなたは、どんな感じになるのかとても楽しみだと思いますが、相手は全くメリットを感じていないからです。
相手側もこの作業を請け負ったことで、どんな気分になっていくかをあまり考えずに、軽く請け合っていることも原因の一つになります。
いざやってみて、非常に面倒だし、大変だと気づくのです。
あなたがそのことを経験上あらかじめ分かっていれば、相手をやる気にさせるために色々な手を打たなければなりないことが分かると思います。
録音するときに演奏イメージが詰められなくてグダグダになる
催促して演奏者に録音してもらうと、急いでとりあえずやった感じのひどい状態の録音データが送られてくることがあります。
また、演奏者宅に録音装置がなく自宅に来てもらったり、スタジオで録音する場合にも、演奏が録音するクオリティになっておらず、グダグダな演奏が繰り広げられた上で、録音の場なのに練習時間を取らないといけないことになったり、最終的には時間に間に合わず終了ということにもなりかねません。
まだ、時間内に採れた演奏データを編集することで、ある程度の形にしていかなければならなくなったりもします。
そして疎遠になる
録音後は相手と疎遠になることでしょう。
思い返してみれば、録音日もそうですが、それまでの間に相手は少し不機嫌そうに見えたことでしょう。
これは上記で述べたように、安請け合いしてしまったが、相手側はメリットを感じていないので、練習、録音に多大な時間を使い、プレッシャーも感じている状態に嫌気が差してしまっているのです。できることなら「すぐに断りたい」ということです。
そのような状態で上手くいくはずがありません。
上記で書いてきた状況は、誰が悪いのか?
それは依頼した我々側なのです。
演奏者が録音するまでの過程で、なるべくやりやすいような環境を作り上げられるように最大限気に掛けることが大事だということです。
以下は、私なりの3つの解決法を書いていきます。
- できるかぎりの資料を用意する。
- 大袈裟に説得する
- お礼はしっかりする
できるかぎりの資料は用意する。
楽曲だけを渡して丸投げをするなどはやってはいけません。
最低限作品の音源とコード譜は用意する。
ボーカリストであれば歌詞入り楽譜を用意する。
和音楽器奏者であればリズムとイメージをしっかり伝える。
ソロ演奏の場合は、ソロフレーズをしっかり自分自身で作り込んだものを渡して参考にしてもらう。
参考音源を渡すときは、その部分のことを参考にするのか(○分○秒~○分○秒のギターのカッティングなど)をしっかり伝えましょう。
大袈裟に説得する
大袈裟にというと、悪く聞こえますがそうではありません。
他人に熱意をもって何かを伝える場合は、大袈裟にやるぐらいでないと気持ちが全く伝わらないということです。
大袈裟にやるぐらいが、自分の本当の気持ちを相手に伝えるのにちょうどよいということです。
上記で述べてきたように他人の曲を演奏するというのは大変なことなのです。
そのぐらい強い気持ちをぶつけないと相手もモチベーションが保てなくなってしまいます。
「あなたにぜひやってほしいんだ」「あなたでないとこの曲はダメなんだ」ということを全力で伝えましょう。
そして、演奏データが出来上がったらその嬉しさを最大限の表現で伝えましょう。
お礼はしっかりする。
データが出来上がると、作品を完成させる方向にまっしぐらになります。
当然、こちらのテンションは上がりっぱなしです。そのことで頭がいっぱいになり、ついつい演奏者への感謝がお座なりになってしまうことがあります。
親しき中にも礼儀ありです。
演奏者には何度も上記で述べているように多大な時間と労力を使わせることになります。そのことをしっかり理解しなけばなりません。
次は自分自身の得意分野で力になることを約束するのもいいですし、ちょっとしたプレゼントを渡すというのもいいと思います。
また、作品が出来上がったらしっかり聴いて貰いましょう。我々の側には、どのような作品にしたのかを最終的に聴いて貰う義務があります。
また、最初から報酬を渡すという約束で仕事として請け負ってもらうのもいいと思います。

まとめ
演奏者がいい気分でいい状態で、録音に取り組めるようにもっていくことが何より大事です。
我々の目的は、いい演奏データを貰って作品に組み込んで最高の作品にすることです。
その目的のためにどうすればいいかをよく考えて、行動することが大事です。