最近は特に楽器の表現などを考えなくてもシンセサイザーやソフト音源を使って曲を作れます。
また、独自の表現を考えることがカッコいいと思うかもしれません。
人によっては、楽器演奏などに全く興味がない人もいるかもしれません。
しかし、楽器の演奏に関しては、もっと興味を持ったほうがいいと思います。
その理由を書いていきます。
電子楽器の成り立ちを考えてみる
電子楽器は、もともとあった楽器や人の声を表現したくて生まれてきたものが多いと思います。
表現を近づける試行錯誤の中で生まれてきたものが、それぞれ独自の魅力を持っていることに気づかれて発展してきたと思われます。
基本は、人の演奏した結果で生まれる音と人の声です。
それらがどうやったら気持ちよく表現できるかを、何年もかけて積み重ねてきたものが現代の楽器奏法であり、歌唱法です。
音楽を作る人が、それを知ろうとしないのはもったいないです。
音楽の本質に触れる
音楽の本質に触れるためには、楽器演奏、歌唱を自分なりに研究しなければいけないと思います。
「音楽的に不自然なこと」をしっかり認識することで、敢えてそれを使うことが初めてできるようになります。
その部分を知らずに、曲作りを進めてしまうと、いくら自分自身もいいと思っても、聴いてほしい他人には全く理解されないということになってしまいます。
自然な表現方法を学ぶ
楽器演奏や歌唱を研究することで、自然な表現を学ぶことになります。
自然な表現を学べば、音の調和などにも注目するようになり、自分の中でしっくりくるものが自然と出てくるようになります。
例えば、ピアノの伴奏が入った曲で、途中からいろいろな楽器が入ってきます。入ってくる中で、ピアノの音は聞こえなくなります。聞こえなくなったらピアノは弾いていないのでしょうか?
自然に考えれば、そんなことはないと分かります。
初心者のうちは、「聞こえない部分を作っても意味がない」と思うかもしれませんが、そんなことはないということに段々気づいてくると思います。
不自然なことをすると、どこかで不自然さを感じることになるからです。
なぜか不自然に聞こえしまうときは、不自然なことを無意識にしている可能性が高いということです。
作品の表現を考えるときに、少ない楽器数で表現できるようになる。
初心者にありがちなのは、音楽を成立させるために、いろんな楽器を必要以上に入れてしまうことです。
それで、和声を充実された気になり、迫力が出せると勘違いしてしまいます。
この方法ばかり使っていると、少ない楽器の表現が苦手になります。
迫力面を強調したい場合でも、楽器の配置や音域を上手く使うということができなくなり、とりあえず、たくさんの楽器を使うことしかできなくなります。
1970年代のポップスなどを聴けば分かると思いますが、少ない楽器でも適切な配置と楽器にあった音域を使うことで、いろんな表現は出来ることが分かります。
まとめ
最初からシンセサイザーを使ったり、面白いエフェクターを使って、曲を作ってはいけないということではありません。
音楽の成り立ちから今までの積み重ねを知ることで、自然な表現を学び、表現の幅を広げていこうということです。
楽器の表現に関しては、自分で弾いてみるのが一番ですが、全ての楽器を演奏することは現実的ではないので、自分なりに他人の演奏を観察するなどで、研究することが大事だと思います。