とりあえず作業を進めるがダメな理由

作編曲の心得

曲を作ろうと思ったときに、構想が固まらない段階で、とりあえずで進めていないでしょうか。

それがダメな理由を以下に書いていきます。

単純に行き詰る

展開や構成について何も考えずにとりあえずレッテルAを作り始めるとします。コード進行を何となく考えて、そこになんとなくメロディを付けます。

次にどうするか分からなくなりませんか?

というのも、その後の展開は考えていないので、そこから考えようとしても、どうしてもその後の展開がレッテルAに引きずられてしまうのです。

そうなってしまうと、続きは全てレッテルAの付属になってしまい、最初のレッテルAがハイライトで、その後は聴いていくうちにただただトーンダウンしていく作品になりがちです。

このプロジェクトファイルは、自然と開かなくなり、未完成のままお蔵入りになるということになってしまいます。

飽きてつまらなくなる

初心者の本などを見ていますと、とりあえずのコード進行または、簡単な練習用のコード進行で曲を作るみたいなことが書いてあることがあります。

これを何となくやってしまうと、ほとんどの場合、曲自体がカッコ悪くなりますので、途中で作業を進める気がなくなります。

なぜなら、自分が形にしたいものがあり、それを形作っていくことが正しい進め方だからです。すでにあるものに対して、肉付けをして自分の理想に近づける作業は一段上の話であり、初心者がすべきことではないからです。

そもそも自分が望んで始めたものでないところから、自分が望むようなものが生まれるわけはないのです。

曲の幅が広がらない

とりあえずで作り始めるやり方で、仮にうまくいったとしても、その手法を続けていくことは危険です。

なぜなら安易に思いつくものは、自分の得意な引出から出してきている可能性が高く、毎回同じようなものになる可能性が高いからです。

毎回同じようなテンポ、リズム、進行になることになります。どう聴いても曲自体も似たり寄ったりのものばかりになります。

また、曲作りが単純な量産作業に成り下がり、とりあえず完成させようとの思いから、雑な作業になります。

なのでクオリティ面での上達が望めません。

解決策

では、どうすればよいのか?

私なりの解決策を以下に書いていきます。

曲のイメージを固めてから作業に入る

基本的には、ざっくりとでいいので構想が固まってから作業に入るべきです。

それを習慣づけましょう。

手順としては以下の通りになります。

  1. 曲のイメージを思い浮かべる
  2. 曲のイメージからタイトルを付ける
  3. イメージに近い参考曲を2~3曲選定する。
  4. イントロからアウトロまでの構成を考えて、参考曲を参考にしてテンポ、リズムを考える。

構想に沿って制作する。

一度全体の構想が思いついたら、構想に沿って制作します。

ポイントは作業中に大幅な変更は加えないことです。

初心者にありがちなことは、作業が詰まってくると、根底から覆したくなることです。

ベーシックな部分までいじり出したり、もう一度最初からみたいなことで、全く作業が進まないということになってしまいます。

クリエイティブな作業は自由度が高いので、自分自身で段階的に制限を作らないと、なかなか形になっていきません。

参考曲を参考にすれば、そういう方向性で完成した曲が既に存在しているのですから、行き詰ることがあっても、必ず答えはあり、完成させられるはずです。

イメージ通りでなくても、それでいい

最終的に思った通りにならないところも出てくると思います。

当初思い浮かべた構想の半分も表現できていないかもしれません。

中には、全く違う感じになってしまったということもあるかもしれません。

しかし、「こちらでもいいか」と思えれば、自分の個性と捉えてそれで良しとしましょう。

表現はやっているうちに上手になってくるものです。最初からイメージ通りに満足するものを作るのは無理です。

結果よりも過程が大事です。行き当たりばったりでやって、よく分からないまま思い通りにならなかったのと、しっかり考えてやったつもりのものが思い通りにならないのでは、結果が一緒でも経験という意味では大違いです。

まとめ

最初はいろいろなハードルがありますが、とりあえずとか、なんとなくで作業を進めてしまい、毎回行き詰って終わることを繰り返すことに意味はありません。

最初はどの方法をとっても満足できる作品を作れないかもしれませんが、過程が大事です。

「何となく」で進めることをやめれば、時間がかかっても必ず自分の表現を手に入れられるようになります。

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